西東京市庁舎はひとつがいい?ふたつがいい?
現在、西東京市庁舎は、田無庁舎と保谷庁舎に分かれている。これは、私が西東京市に転入してくる前に、旧田無市と旧保谷市が合併する際には新庁舎の建設は行わず、田無庁舎、保谷庁舎の有効活用を図ることで合併協議会で確認されたことによる。(一市二庁舎体制)
合併当初のことを考えると、合理的な考えに基づく結論だと思うが、そろそろ見直したほうがよいとの意見もよく目にする。
そこで、一市二庁舎体制のメリットとデメリットについて考えてみる。なお、市庁舎問題を考えるにあたり、『「一市二庁舎体制」課題・問題調査研究(課題整理編)』(平成20年2月)を参考にした。
市庁舎が分かれていることについて、市民にとってのメリットとしては、窓口がふたつあることだろう。市民は田無か保谷のどちらか近いほうに行けばよい。福祉部門や市民生活部門の基礎的市民サービスはどちらの窓口でも受けられる。
その反面、一方の庁舎にしかない窓口は不便だろう。遠い場合もあるだろうし、近い方の庁舎に行ってみたら、実は遠い方の庁舎にあった、なんてことも起こりうる。
つまり、市民から見た場合、一市二庁舎体制はメリットでもあり、デメリットでもある。
では、コストの面で見た場合はどうだろう。こちらもメリットとデメリットがあるようだ。
まず、現状は、旧庁舎をそのまま使っているため、新たに市庁舎を建設するためのコストはかからない。ちなみに新たに市庁舎を建設する場合は、68億円くらいの建設費が必要と試算されている。
その一方で運用コストはかかる。両庁舎に窓口をおくことによる、余剰人員は11人。市職員ひとりあたりの人件費は816.1万円/年であるので、年間8,977万円の人件費がかかっている。
また、庁舎間連絡バスにも人件費はかかり、こちらは2名なので、1,632.2万円である。
庁舎の管理コストは、田無庁舎14億円、保谷庁舎15億円かかっているが、一庁舎にすると、半分まではいかないまでもかなり削減できそうだ。
現状の二庁舎体制では、管理コスト、人件費、市民や職員の移動の時間的ロスを考えると、あまり効率的とはいえないかもしれない。
他にもパラメーターはたくあんある。そろそろ真剣に考えないてはならないだろう。
ところで、新生西東京市を二庁舎体制でスタートさせた本音は、市役所を田無、あるいは、保谷に寄せた場合に必ず出てくる、「田無主導」「保谷主導」という感情的な問題を回避したかったということだろう。
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コメント
今のところ官庁街を形成しているのは田無庁舎だし、駅からのアクセスが良いのも田無庁舎ですね。ただし建物の規模や全市からのアクセスを考えれば保谷庁舎にまとめるほうが良いのかもしれませんね。実際に八王子や武蔵野などは駅から遠い場所にありますしね。私的には現在の田無庁舎の場所に田無小学校を移転させ、田無小学校前の都市計画道路を早期実現させ、その跡地を再開発できれば、田無駅周辺に商業施設の集積も図れるし都市計画も進捗するため一石二鳥だと思います。
投稿: 平和 | 2009年2月12日 (木曜日) 11時51分
平和さん、こんばんは。
何の裏づけもない、まったくのアイデアベースですが、納得感のあるのは下記だと思っています。
①一部売却の予定である東大農場の土地あるいはその隣接地を取得して新庁舎を建設
②田無庁舎および保谷庁舎跡地は民間に売却し、①の建設費に充当
新庁舎は田無駅とひばりヶ丘駅からのアクセスがよくなります。田無庁舎跡地は立地がよいので、比較的高く売却できるのではないでしょうか。
以上妄想の市庁舎移転構想でした。
投稿: tanashi | 2009年2月13日 (金曜日) 01時05分
おひさしぶりです
市役所を小学校に・・・という意見ですが、難しいかとおもいます。田無小学校は基本的に旧本町(現田無町)に住んでいる児童が通学するためのものですが、その生徒に踏切をわたらせる通学路は採用が難しいでしょう。
今から30年前、上向台小学校が出来たのですが、そのときも南町から田無小学校へ通う児童が切り離されました。理由は、当時、田無町学校の児童の合計が1000人を越えそうだったからというのもありますが、踏切を通る通学路をなくすためという説明も聞いたことがあります。当時、私は踏切の向こうへは遊びに行っては行けない(つまり小金井公園には行けない)という指導を小学校から受けていました。(低学年のときだったかな?)今考えるととんでもない話ですが、実際にそんなことを言われていました。もちろん、無視して、遊びに行っていたわけですが・・・(笑)
もともと今の市役所のあったところは第一中学があったところで、火事で全焼してしまったため、しばらくグランドになっていたところに古くなった市役所(今の総持寺のあたり)から移転したもので、学校を作るというアイディア自体は悪くないのかもしれません。
ただ、便利さを考えれば、保谷庁舎よりも田無庁舎の方が格段に上でしょう。何かのついでに市役所という視点で行けば、もっとも適している場所だと思います。問題は、どちらの市庁舎でも既存のスペースで足りないという事を騒ぎ出すかどうか?という事なのかもしれません。
議論としては「ひとつがよい」という方向に行くことが一般的だと思いますが、二つを有効活用するという議論もあっても良いような気もしないでもないです。田舎に行けば、「さすがに今の時代、市役所がこんなにぼろくちゃまずいだろ・・・」と思わず口に出そうなところはたくさんあります。安易に移転よりは、有効利用の方が効率的かと思います。
投稿: ultra-daddy | 2009年2月19日 (木曜日) 10時51分
ultra-daddyさん、こんばんは。
小学生のみならず、踏み切りはある意味関所ですね。西武新宿線の連続立体交差が実現すると、こういった問題も解消し、人の流れも変わってくるのだと思います。
国民に2兆円をばら撒くことについて、議論されていますが、広く集めた税金は、束ねて効果的に使うのがよいと思います。消えてしまった西武新宿線地下急行線、1600億円で上石神井-新宿間を地下で結ぶ計画でしたが、こういったところにお金を使ったほうがよい気がします。
話がそれました。
市庁舎はひとつがよいか、ふたつがよいか、多分そろそろ議論が盛り上がってくるころだと思います。
投稿: tanashi | 2009年2月19日 (木曜日) 20時33分