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2006年4月25日 (火曜日)

「駅力」から見た田無とその周辺

「週刊東洋経済」2006年4月15日号に『「駅力」で決まるマンション選び』という特集記事が掲載された。マンションの投資尺度を「駅力」という指標で評価しようという試みで、ありきたりではあるがなかなか興味深いと思い、記事を読んでみた。

記事では首都圏の各沿線の駅について駅力を調査しているが、ここでは記事の中から、西東京市周辺の駅力を表.に抜粋して引用する。(記事ではマンション投資に重点を置いているため、その他価格変動指標や投資判断指標を掲載しているが、ここでは触れないこととする。)

Ekiryoku
出典:週刊東洋経済2006年4月15日号


「週刊東洋経済」の記事では、田無やひばりヶ丘は5段階の総合判定で最高ランクの4つ星であり、全体的に魅力的なエリアとなっている。と、この時点では自分の住む街の評価がまずまずなことに満足したが、しかしながらよくよく指標を見てみると、データの取り方が適切ではないように見えるので、あまり鵜呑みにしないほうがよさそうだ。駅力を(1)乗降客数(2)小売年間販売額(3)銀行預金残高増減率で判断するという考え方は納得できる。ここまではよいのだが、この先がやや説得力に欠けると思う。(1)乗降客数は純粋にその伸びが駅力に直結すると考えれば納得いくものの、(2)小売年間販売額と(3)銀行預金残高増減率を行政単位で算出している点は賛同できない。表.を見ていただけばわかるが、田無駅も西武柳沢駅も小売販売額は同じ1,499億円となっている。また路線の異なる保谷駅も1,499億円となっているが、どう考えても駅力の指標としては適切ではない。たとえば練馬区の武蔵関駅と中村橋駅の小売年間販売額は4,819億円であるが、商圏がまったく異なるので、参考にはならないと思う。駅周辺の商店街の小売販売額は東京都が発表しているので、こちらの数字を用いるべきと考える。東京都のデータは平成14年のものなのでやや古いが、たとえば田無駅周辺では33億円、西武柳沢駅周辺では6億円程度である。銀行預金残高も、住民の経済力を図る上で着眼点はよいと思うが、利用する駅ごとに算出する努力をすべきではないだろうか? そうすればもっと実態に近い評価が出来るはずである。
と、このように、指標の取り方で不満があり、残念な気がするが、着眼点は面白いので、いずれ機会があれば、「駅力」という指標で田無やその他西東京市内の駅について再評価してみたいと思う。

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