西東京市のコミュニティバス はなバス
はなバスについては、前にも何度かコメントしているが、とてもよい。周辺のコミュニティバスと比べてもブルーが基調の楽しいデザインはピカイチではないだろうか。2002年3月にスタートしてから、既に5路線、すっかり市民の足として定着したのではないだろうか。
コミュニティバスとしては武蔵野市のムーバスが有名で、こちらは1995年のスタートで、2002年には黒字化している。以前新聞にコミュニティバスについての記事が掲載されていたが、武蔵野市の場合は吉祥寺を抱えており、黒字化できたのはかなり特異なケースのようだ。現在全国に600余りコミュニティバスがあるが、そのほとんどは赤字とのこと。
もっともムーバスの場合も最初から好調ではなかったらしい。当初は委託先である関東バス、小田急バスに赤字の場合には2000万円まで補填するという約束でスタートし、実際しばらくは赤字だったが、武蔵野市側からもバス会社に運転手として高齢者を再雇用するなど経営努力を促し、バス会社側の努力もあり、黒字転換できたとのこと。はなバスの場合はどうだろう・・・。
ところで、コストの件は別として、利用数でいえばはなバスは健闘している。西東京市周辺のコミュニティバスの資料が手元にあるので、掲載する。数字は1日辺りの乗降者数である。この資料は2004年1月現在のもので、第5ルートはまだ走っていなかったので現在はもっと多いだろう。
武蔵野市 ムーバス 5,239
西東京市 はなバス 2,096
三鷹市 みたかシティーバス 2,196
小金井市 CoCoバス 900
東村山市 グリーンバス 1,001
コミュニティバスは自治体が独自に運営しているため、どうしても自治体内に閉じてしまうが、最近武蔵野市のムーバスは武蔵野市の市境を越えて隣の小金井市の東小金井駅まで路線を延ばすこととした。これはある意味驚きであったが、市民の利便性を考えれば当然の結論だろう。
はなバスについても第4ルートを花小金井駅まで延ばす検討をすると聞いている。もし実現できれば、間違いなく利便性は向上するだろう。以前図書館について、周辺自治体の共用できることについて書いたが、今後こうした広域行政の考え方が定着していけば、コミュニティバスの共用も当然の帰結だと思う。
さて、はなバスの乗り心地であるが、こちらはあまりよくない。高齢者が多いので、私は大抵つり革につかまっての乗車になるが、つり革は動くので体を支えるのが大変である。また住宅地を走るルートが多いため、バスはゆっくりと曲がるものの、立っているとつらい。更にいえば、第4ルートで利用されているオーストリア製の車体は外見はかっこいいのだが、扉の開閉時に扉を支えるアームに中の人がぶつかってしまうことが多々ある。(うまく説明できないが乗車してみればわかると思う。)おまけに狭くて大人数は乗れない。この点は不満である。
この車体は海外製なので、メンテナンスは結構かかるそうだ。
ちなみに、私が好きなのは田無駅と東伏見駅を結ぶ第3ルートである。五日市街道や伏見通りは快適で気持ちがよい。なお、このルート、市境を走る区間が長いため、西東京市民にあまり利用されていのではないかとの議論はあるようである。
過去のはなバスについてのコメント
バスをもっと快適に!
はなバスの運賃
はなバス利用者200万人達成という数字
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コメント
武蔵野市って地図見るとわかりますが、道路が碁盤目にきれいに整備されているのでバスのルートの自由度が高いんですよね。なので
既存のバス路線とは違う道をはしれる。
それにくらべ西東京市の道路事情は最悪なので結局既存路線と競合してしまうのではないでしょうか。
投稿: ひろ | 2005年5月14日 (土曜日) 09時22分
一般的には既存路線と競合させないというのがコミュニティバスのポリシーのようです。
西東京市の場合も競合しない交通空白地帯をルートに選んでいます。道路事情については武蔵野市も苦労したようですね。武蔵野市長の著書「ムーバスの思想 武蔵野市の実践」(東洋経済新聞社)にムーバスの実現までの苦労がいろいろと書かれているので、参考になります。
投稿: tanashi | 2005年5月14日 (土曜日) 09時47分