競争力ランキングを考える
毎年スイスIMD(国際経営開発研究所)が国際競争力ランキングを発表すると、その数字だけを見て一喜一憂しているように見える。ランキングが下がったといって国会でも議論されたのではなかったか。
今年のランキングは21位だそうである。
さて、この国際競争力とは何かだが、皆が一般的に想像する経済力などとは異なるような気がする。私自身IMDの教授から直接お話を伺ったことがあるが、IMDが重点を置いているのはその国でビジネスをするに当たり、魅力的な環境かどうかだそうだ。つまりその国の規制はどうか、労働コストはどうか、事業を立ち上げやすいかどうか、税率はどうかなど、ビジネスを行うにあたって魅力的なインフラが整備されているかどうかという。私は話は直接聞いたが、国際競争力年鑑そのものは見ていないので、詳細は知らないが、まあ、そんなところだと思う。(購入の案内が毎年来るが個人で買うには高いので買わない。)
こうした観点で街の魅力度を測ってみたらどうだろうか。IMDと同じ観点で各都市をランキングしたものがあれば面白いのだが、残念ながら私は見たことがない。もしランキングするとすれば、例えば多摩地区の各自治体について、ビジネスを行う際、どのような優遇措置が得られるか、どのくらい優秀な人材を、どのくらい安く集められるか、近くに大きな市場があり、交通が整備されているかなどこうした指標を基にランキングしていけばよいだろう。(繰り返しになるが、私はIMDの年鑑は見たことがないので、考え方を独自に解釈している。)
西東京市がビジネスにとって魅力的な街であれば、企業がどんどん集まり、税収も増え、更に競争力のある街になるだろう。こうしたビジネスにとっての魅力度(競争力)という観点で、西東京市がどのくらいのランクなのか是非知りたいのだが、どなたかご存じないだろうか。
さて、ここからは余談であるが、前述のIMDは日本では国際経営開発研究所(International Institute for Management Development)、は時々研究機関として紹介されるが、欧州有数のビジネススクールである。そして私も短期間ではあるが、IMDで学んだ経験がある。フランス語圏のローザンヌにあるが、授業は英語で行われ、こじんまりとしてはいるが、目の前にはレマン湖が佇む大変よい環境である。私が受講したコースでは毎日のように「市場は魅力的か」を繰り返し議論するが、国際競争力ランキングでもこの「魅力的か」という観点が大切なのだろう。(私はIMDを語れるほど長くはいなかったので、間違っているかもしれないが)
街の魅力度については過去にもいろいろと書いているので、そちらも参照されたい。
街の魅力度で書いた、全国優良都市ランキングについては日本経済新聞社から発売されているので、興味のある方は読んでみるとよいかもしれない。IMDの国際競争力年鑑は持っていないが、こちらは手元に置いている。
全国優良都市ランキング 2006-06
日本経済新聞社
改めて、過去のブログを読み返し、街の魅力度の指標として、今回のビジネスを行うにあたっての魅力度の観点が抜けていたことは反省点である。
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