用途地域変更と街の景観
東京都が都内全域の用途地域等の見直しを発表した。
西東京市は対象から外れているが、周辺市のいくつかは見直しの対象である。
三鷹市や武蔵野市等では宅地の分割規制が取り入れられ、100平米あるいは120平米以下の土地に分割することはできなくなる。利害関係が絡むので、これがよいか悪いかを簡単に述べることは出来ない。田無周辺には比較的狭い土地に密集した住宅が立ち並んでいる光景をよく目にするが、こうした分割規制がされれば、新規にこのような狭い土地は販売されない。比較的大きな土地(あくまでも相対的に)に住宅が整然と立ち並ぶようになれば、街の景観はよくなるだろうし、防災上の観点からも望ましい。しかしながら、ネガティブな観点からは、売り手は狭い土地に分割して売ることは出来なくなるし、狭小住宅を得意とする工務店も販売が難しくなるだろう。また資金に余裕のない人は、住宅を購入することが出来なくなる。
今のところ西東京市は対象外である。ということは、長い目で見ると、三鷹市や武蔵野市には、比較的大きな土地を購入する余裕のある人たちが住み、資金に余裕のない人が西東京市に集まってくることとなる。現在も地価でいえば、西東京市は三鷹市や武蔵野市に比べ、安価であるが、この格差が広がっていくことだろう。
また、三鷹市は市内の99%は20メートルの高さ規制があり、20メートルを超える高層マンションは建設できない。現在三共製薬工場跡地に計画されている長谷工のマンションは15階建て47メートルであるが、西東京市では建設が可能である。これも利害関係が絡むので、どうすべきとはいわないが、街の景観を考えた場合、三鷹市の方が西東京市よりもよいのではないだろうか。
さらには、三鷹市は特別商業活性化地区を指定し、商業地は商業地らしく、工業地は工業地らしく魅力ある街づくりをしていくとのこと。
このままでは、西東京市は取り残されてしまうのではないかと、不安に思えてならない。
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